Our Works

製品の裏側 – 門型洗車機 –

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1983年、エムケー精工が初めて製造した門型洗車機
「エクストラ」が発売されました。
業界初となるコンピューター制御の門型洗車機は
業界の最先端として好評を得ました。
それから40年近く経った今も開発を続けています。
門型洗車機の開発の裏側を覗いてみましょう。

Member

エムケー精工の門型洗車機開発担当者
左から設計を担当するT.S.さん A.T.さん Y.T.さん 
Y.A.さん(以下イニシャル)

エムケー精工では縦割りの役割分担で自分の仕事をするのではなく、自身の仕事に主軸を置きながらチームで企画から開発、商品化、販売までを進めていきます。アフターフォローの視点も欠かしません。
お互いの役割を理解しながら、どのように門型洗車機が作られているのか聞いてみました。

強みについて

エムケー精工の門型洗車機が優れている点はどこでしょうか。

T.S. 一番言っていただくのは車形を読み取るセンサー技術です。車形読み取りの精度が上がれば、効率よくブラシを当てることができて、車にダメージを与えず、洗い残しも減ります。車形を認識する精度は年々上がっているように思います。

Y.T. 門型洗車機の構造上、センサーは車が入っていく入り口につけることになります。そうすると、側面からしか車形を読み取れないんですよね。装備品の位置を正しく読み取るには、横からの車形だけじゃなくて奥行きも測りたい。車形を3D的に読み取りたいんです。

Y.A. そのために、超音波を使ったり、センサーを斜めからも照射して車のどちら側に装備品があるかを判断したり、側面からでも3Dで車形を読み取れるようにしています。センサー数も増えて、読み取り精度は高くなっています。

設計について

設計していくなかで大変な点はどこでしょうか?

T.S. ハードウェアの部分でいうと、門型洗車機って設置場所や運送の関係で形やサイズが決まっているので、新しい機能を付けようと思うと、他の機能との干渉やスペースの問題に悩みます。

Y.T. ソフトウェア側は、毎回1からプログラムを作るのではなく、先人たちのものをベースに作っていくので、あまり変更しすぎると不具合とか出てしまうのが大変です。

T.S. エムケー精工はお客様の要望をできるだけ反映していて、限られた物理的なスペースやプログラムで対応していくのですが……。

Y.A. ちょっと直してよ、が結構大掛かりだったしますよね。ハードとソフトの担当者がコミュニケーションを取って解決していくことになります。現場に行くこともあります。

他技術との連携について

最新の門型洗車機には正面上部にディスプレイがついていますね。

Y.A. ガソリンスタンドに給油だけしに来ている人に対して、洗車機がどこにあるのか、といったアピール効果は重要で、ディスプレイはその役割を担っています。

Y.T. エムケー精工ではLED表示機も作っているので、その技術との融合ですね。

A.T. 設置するディスプレイについては、LED表示機の設計者にサイズや種類などの選定を手伝ってもらい、ノイズが発生しない基板の設置位置のアドバイスももらいました。前面板の部分はディスプレイが映えるようにこれまでと形と色が変わったので、デザインにも変化が出たように思います。表示するコンテンツの作成と追加はLED表示機の担当者にお願いしています。ディスプレイの搭載を通して、LED表示機のチームとの協働が増えました。

T.S. せっかく様々な技術が社内にあるので、それらを組み合わせていきたいですよね。

レグロスGの高輝度Gディスプレイ

洗車アプリについて

スマホから洗浄の予約ができるアプリ(wash WALLET)も開発しています。

Y.A. エムケー精工にはスマホと洗車の決済機とのやり取りを可能にするような無線の技術がありませんでした。これまでは有線接続で事足りていたので。勉強しながらの開発になりました。

Y.T. 大変だったことは、QRリーダーを決済機に増設すること。アプリを導入してもらうのに決済機を総取り替えするとコストがかかるので、ガソリンスタンド側も導入しづらい。可能な範囲ですでにあるものに機能や設備を足す、ということになりました。そもそも、決済機はQRリーダーを後から足すことは考えられていないので大変でした。

Y.A. 当時なかった技術を見越して設計はできていないですからね。

A.T. ローンチ時点ではアプリの機能はかなりシンプルでしたが、洗車ユーザーやガソリンスタンドの声を聞きながらバージョンアップしていく予定です。

未来の洗車機について

今後、どのような洗車機を想像できるでしょうか。

Y.T. やっぱり、手洗いって最強なんですよ。目で見て、手で強さを調節しながら洗えるので。洗車機はどうしても車にダメージを与えないように動くので、手洗いには劣ってしまいます。でも、手洗いと同じくらいの細やかさを目指したい。

Y.A. 少子化による人口減や省エネ自動車の増加によって、ガソリンスタンドは減ってくと言われています。そういった状況の中で、どうやってガソリンスタンドを技術で助けられるのかを考えたいです。

A.T. 電気自動車を充電中に洗車するとか、現在とは違う形で洗車ができれば、ガソリンスタンドや洗車ユーザーに新しい快適さをもたらせるかもしれないですよね。

T.S. 車だけじゃなくて様々なものを洗ったり、IoTやAIの導入でより精密な洗浄を目指したり、色んなことが考えられます。でも、まずは洗車機メーカーとしては、洗車の良さを知ってもらいたいですね。未来でもエムケー精工の洗車機で車を洗ってもらえるようにしていきたいです。

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